7つのパネルで全体像を掴む。
Premiere Proには「ワークスペース」という動画編集に欠かせない作業画面があります。
このワークスペース内には動画素材のフォルダを表示したり、その動画素材を並べて動画の流れを作ったり、作った動画に変化を加えたり、動画を再生することができます。

このワークスペースにおいて細かな編集をしていくのですが、パネルの数はたくさんあり、レイアウトも自分で自由に変更できるため、最初から全てを覚えるのはなかなか難しいでしょう。
まずは、以下の6つのパネルの名称と役割を覚えてみてください。その後余裕ができたら他のパネルを覚えていきましょう。
①プロジェクトパネル・・・撮影した動画素材やBGM、画像などのデータが保存されています。
②ソースモニター・・・動画や音声などの素材を再生・確認できます。
③ツールパネル・・・動画編集に必要なツールが並んでいます。
④タイムラインパネル・・・動画や音声などの素材を並べて編集し、動画全体の流れを作ります。
⑤エフェクトコントロール・・・動画や音声などの素材に調整を加えることができます。
⑥エフェクトパネル・・・動画や音声などの素材に加工(特殊効果・音響効果)を加えられます。
⑦プログラムモニター・・・制作した動画の全体をプレビューで再生して確認できます。
今回は「すべてのパネル」というレイアウトを使って説明していきます。
①プロジェクトパネル
動画素材を読み込み表示させる場所

動画のみならず、画像や音声、シーケンスなどあらゆるデータをこちらに読み込んで表示させることができます。
ちなみにプロジェクトパネルに表示される一つ一つの素材(動画素材、画像、音源etc.)は「クリップ」と呼ばれています。クリップという単語はよく出てきますので覚えておきましょう!
取り込んだ動画素材、画像や音楽素材のこと。タイムライン・パネル上では四角いかたまりとして表示される。
表示の切り替え
プロジェクトパネルには3つの表示方法があります。

リスト表示
文字情報だけのリスト式。素材の細かい設定を確認するときに利用

アイコン表示
どんな素材なのかを確認したい時に利用。つまみで大きさ調整可能

フリーフォーム表示
文字通り自由な表示形式で、感覚的に素材を配置して表示変更可能

②ソースモニター
タイムラインパネルに追加して編集するために、クリップを再生し確認することができます。

・個々の動画素材を再生し、内容を確認できる。
・編集で使いたい素材の開始位置と終了位置を決められる。
ソースモニター内にはいくつかのタブがあり、クリップを再生する「ソースモニター」の他にも、クリップを加工・調整することのできる「エフェクトコントロール」、クリップの色味を確認できる「Lumetriスコープ」、クリップの音響調整ができる「オーディオクリップミキサー」などがあります。
③ツールパネル
動画を編集する際に利用できる様々なツールが集まったパネル

④タイムラインパネル
クリップを編集して、動画の流れを作る箇所

前述のプロジェクトパネルに読み込まれた動画素材(クリップ)はタイムラインパネルに挿入すると青い四角で表示されます。動画素材以外も同様に別の色(ピンクや緑など)で四角く表示されます。
これらのクリップを並べたりカットしたりすることで動画の流れを作ることができます。
・クリップをタイムライン上に配置し、編集することで動画全体の流れを作れる。
・画像、音声、イラスト、テロップなど動画素材以外のクリップも映像にのせて編集できる。
・動画や音声素材ごとにエフェクトを適用できる。
タイムラインパネルの詳細はこちら
タイムラインパネルは編集において最もよく利用するパネルですのでしっかりとポイントを押さえておきましょう。
⑤エフェクトコントロール
クリップの調整ができる箇所。

映像や音声などのクリップをタイムラインパネルに挿入し、それぞれのクリップを選択すると「エフェクトコントロール」にさまざまな用語や数値が表示されます。
元々クリップにある情報(映像サイズ、配置位置、音量など)をもとに映像・音声の調整ができます。
また、次に説明する「エフェクト」と呼ばれる特殊効果を追加した後に、その加工の調整も「エフェクトコントロール」で行います。
・映像のサイズや位置の変更、動画の回転、不透明度の調整など
・音声のボリュームの調整など ・エフェクトパネルで追加した特殊効果、音響効果の調整など
⑥エフェクトパネル
クリップを挿入し初期段階の設定をエフェクトコントロールで調整できると説明しましたが、慣れてくるとクリップに元々ある情報だけでは演出をするのでは少し物足りなく感じることがあります。
Premiere Proではクリップに「エフェクト」と呼ばれる特殊効果や音響効果を加え、調整することができます。エフェクトを加えることで、動画と動画の移り変わり(トランジション)の演出を工夫したり、動画のブレを補正したり、BGMの始まりをフェードさせたりと様々な効果を加えることができます。

表現の幅を持たせるために映像や音声に加える特殊効果や音響効果のような加工・効果のこと。
エフェクトパネルにはそんな動画の演出をより魅力的にしてくれる「エフェクト」が揃えられています。
このエフェクトをタイムラインパネル内のクリップに挿入し、エフェクトコントロールで微調整すれば動画を加工できます。
・ビデオエフェクトを検索、追加できる。
・オーディオエフェクトを検索、追加できる。
*エフェクトパネルはエフェクト素材のリストのため、実際はタイムラインパネル上へドラッグして利用する。
⑦プログラムモニター
ソースモニターが編集前の素材の再生と確認に使われる一方、プログラムモニターは編集した後(もしくは編集中の)動画を表示するためのモニターです。

タイムラインパネル上に並べた動画を編集し、プログラムモニター上で再生すれば、編集内容がどうなっているか確認することができます。
・タイムラインパネル内で編集している動画を再生し、確認できる。
ワークスペースは鍋作り?
それぞれのパネルの名称と役割がお分かりいただけたかと思います。
パネルの数が多くてなかなかイメージがわかない方もいるでしょう。
そんな方はワークスペースを鍋作りと思ってみてみると少しわかりやすくなるかもしれません。
「プロジェクトパネル」「ソースモニター」は動画素材が保存されている「冷蔵庫」
「ツールパネル」は動画をトリミングやカットする「包丁」
「タイムラインパネル」「プログラムモニター」は動画素材をカットして並べ、動画全体を確認できる「まな板」と「鍋」
「エフェクトコントロール」は動画素材の加工を加減・調整する「コンロ」
「エフェクトパネル」は動画に変化を加える「調味料」
そしてもちろんご自身で撮影・用意した動画、音声、画像などの素材は「食材」ということになります。
このように考えればワークスペースへの理解が少し簡単になるかもしれません。
ワークスペースのレイアウト変更は一瞬?
ワークスペースをわかりやすく説明するために上記のような番号や例を使いましたが、ワークスペースはレイアウトを自分で自由に変更できます
ワークスペースの上部「ヘッダーバー」と呼びばれる部分に以下のようなアイコンがあります。

これを押すと15種類のワークスペースが表示されますので、自分に合うレイアウトを選んで下さい。

編集作業に応じてワークスペースのレイアウトを変更することはよくあります。
ちなみに上記で私が今回説明したレイアウトは「すべてのパネル」というものです。
このチュートリアルでは基本的に「すべてのパネル」のワークスペースとなっていることを前提に話を進めますが、慣れてきたら自分に合ったワークスペースのレイアウトをご利用ください。